「線形代数の基礎 - 固有値 固有ベクトル」の版間の差分
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<math>(A - I) \vec{x} = \begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 2 & 1 \end{pmatrix} \vec{x} = 0</math> | <math>(A - I) \vec{x} = \begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 2 & 1 \end{pmatrix} \vec{x} = 0</math> | ||
の解が固有ベクトルである。 | |||
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\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 2 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = 0 | |||
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2x + y &= 0 \\ | |||
2x + y &= 0 \\ | |||
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より、<math>x = 1, \, y = -2</math> | |||
固有ベクトルは <math>\begin{pmatrix} 1 \\ -2 \end{pmatrix}</math> の定数倍 | |||
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例題. <math>\lambda = 4</math> に対応する固有ベクトル | 例題. <math>\lambda = 4</math> に対応する固有ベクトル | ||
<math>(A - 4I) \vec{x} = \begin{pmatrix} -1 & 1 \\ 2 & -2 \end{pmatrix} \vec{x} = 0</math> | <math>(A - 4I) \vec{x} = \begin{pmatrix} -1 & 1 \\ 2 & -2 \end{pmatrix} \vec{x} = 0</math> | ||
の解が固有ベクトルである。 | |||
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\begin{pmatrix} -1 & 1 \\ 2 & -2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = 0 | |||
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\begin{cases} | |||
-x + y &= 0 \\ | |||
2x - 2y &= 0 \\ | |||
\end{cases} | |||
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より、<math>x = 1, \, y = 1</math> | |||
固有ベクトルは <math>\begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix}</math> の定数倍 | |||
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<u>※注意</u><br> | <u>※注意</u><br> |
2024年12月6日 (金) 04:21時点における版
概要
固有値 / 固有ベクトルの定義
固有値・固有ベクトルの定義 が成立する時、 を行列Aの固有ベクトル、 を行列Aの固有値という。 ただし、Aは正方行列、 は でないベクトル、 はスカラーである。
固有空間の定義
固有値および固有ベクトルに関連する概念として、固有空間がある。
固有空間の定義 正方行列Aの固有値 に対して、 で定まる線型空間 のことを、Aの固有値λの固有空間という。
つまり、固有空間とは同じ固有値λに対応する固有ベクトルを集めた集合である。
ただし、ゼロベクトルも固有空間の元である。
特性方程式
- 固有値を求めるために必要な定理
が 行列Aの固有値
この を行列Aの特性方程式 (固有方程式) という。
固有値の求め方
例題.
の固有値と固有ベクトルを求めよ。
解答. したがって、特性方程式は
したがって、固有値は となる。
固有ベクトルの求め方
例題. において に対応する固有ベクトル の解が固有ベクトルである。 より、 固有ベクトルは の定数倍
例題. に対応する固有ベクトル の解が固有ベクトルである。 より、 固有ベクトルは の定数倍
※注意
3次の正方行列の場合、特性方程式が3次方程式になり、固有ベクトルを3本求める必要がある。